転職経験談

【転職経験談】キャリアチェンジし、デイサービスで働く作業療法士の働き方

経歴

以前は鍼灸師として整体院で働いていました。
当時よりリハビリ、特にADLへのアプローチに興味があり、30歳で作業療法士の資格を取りました。国家資格取得後は機能訓練指導員としてデイサービスで勤務し、現在6年目になります。

転職方法

今のデイサービスは専門学校時代の知人に紹介してもらい、新卒から入社しました。
病院やクリニックも考えたのですが、レベルが高くてついていけなそうな気がしたので介護保険の分野にしようと、訪問リハかデイサービスに絞りました。
訪問リハビリの方が給料は良かったのですが、いきなり一人でリハビリすることに自信がなかったのでやめました。

働き方

会社の特徴

元々介護士だった社長が立ち上げた会社です。
近隣エリア内にデイサービス事業所を3つ経営しています。機能訓練型デイサービスとして稼働していますが、今の事業所は私が入社するまでセラピストは不在でした。
そのため他の事業所のセラピストが考案した集団プログラムを看護師、介護職員等が行っていたそうです。

デイサービスは定員25名の1日型です。内容は送迎、入浴、食事、個別リハ、集団トレーニング、アクティビティ、季節の行事等を行います。
送迎は専任の運転手と介護職員が基本的に行っています。

 

働いているスタッフ、年齢層、セラピストの割合

スタッフ数は10人(非常勤含む)で、管理者、生活相談員、介護職員、看護師、調理職員、送迎車の運転手がいます。

年齢層は20代の介護職員が1人、他は30代~60代まで幅広くいます。

事業所内のセラピストは作業療法士の自分1人ですが、他の事業所にもそれぞれ1人ずつセラピストが配属されています。

リハビリの対象疾患

疾患は様々ですが、整形疾患、脳血管疾患の術後や発症後の慢性期、廃用症候群で機能が低下してしまった方などが中心になります。
病院のリハビリのように疾患の改善や動作の獲得が主目標ではなく、現状を維持しながら活動したい人、外的環境に触れる機会を作りたい人、ご家族の患者負担の軽減のため利用している人が対象です。

 

リハビリ、仕事内容

リハビリの内容:
リハビリの特徴としては1対1の個別リハと、5人で行う集団トレーニングがあります。セラピストの担当は主に個別リハで、除痛、アライメント修正、運動学習をおこない、マシントレーニングや集団トレーニングで元気に活動してもらうという流れです。あとは、利用者さんの自宅環境に合わせたADL訓練なども行います。
また、3カ月に1回「10m歩行テスト」「バランステスト(FBS)」などを測定し、評価を行っています。

その他の仕事内容:
個別リハが中心ですが、他にも集団トレーニングの指導や新たなプログラムの提案、介護職員への介助方法の指導、食事時のポジショニング指導なども行なっています。

機能訓練指導員の仕事として、送迎に同行して利用者さんの自宅を訪問し、ご家族へ機能訓練の内容と進捗状況を説明し、必要に応じて訓練内容や計画の見直しもおこないます。

また、初回の利用者さんの場合も送迎に同行し、乗降動作の確認と介助も行うことがあります。また、花見の時期などには近くの公園にお花見に行くことがあり、スタッフ総出で移動介助しながら出かけることもありますね。

事務作業はカルテと計画書作成、テストの結果まとめ、備品管理などそれほど多くはありませんが、カルテは1日14~17人分あり、計画書も利用者数が多いので書くのが大変です。

 

学習環境

勉強会頻度 :2ヶ月に1回

勉強内容  :
基本的に自分が講師となり集団プログラムの提案や実施方法を中心に検討会を開いています。

支援体制  :金額の制限はありますが全額補助されます。

その他の特徴:
専門的な技術・知識向上のための症例発表や勉強会はない(事業所内にセラピストが自分一人だけなのでできない)ので、スキルアップは個人に任されるというのが現状です。

しかし、社長がセラピストの存在を重要視してくれており、外部セミナーの受講費全額補助や、年に数回他の事業所にいるセラピストと合同勉強会を開催し、交流の場を作ってくれるなど、不十分ながらも学習環境を整えてくれようとする会社の姿勢を感じます。

あると便利な資格、スキル

ケアマネージャーの資格を持っていると管理職を目指すことも可能です。

 

年収、給与、昇給について

入社時の年収 : 380万円(新卒 作業療法士1年目)

今の年収   : 410万円(作業療法士6年目)

月給     : 28万円(みなし残業代、手当て含む)

ボーナス   : 年間70万円

昇給     : 年2000円

評価制度   : 特になし

会社の年収層 :360~500万円 平均値400万円

新卒時の初任給は高めで、病院に勤めている友人と比べても高かった記憶があります。
ただ、昇給額が少ないため6年目の今と比べても大きな変化はありません。

月給は高めですが、「みなし残業代」が給与に含まれているため、残業代よる増減はほとんどないですね。一番年収が高いのは管理者だと思いますが、月の給与を聞く限り500万円ほどだと予想しています。

 

1日のスケジュール、勤務体制

勤務時間:9:00~17:30

臨床人数:14~17人

9:00  出勤し、掃除と朝礼をおこないます。

9:30~ 個別リハビリ5~7人、食事準備の手伝い

12:15~ 昼休み

13:00~ 個別リハビリ9人~10人

16:30~ 利用者さん見送り後、掃除やカルテ記入などの事務作業。

17:30  退勤

新規の利用者さんがいる日は送迎に同行するので30分ほど早めの出勤になります。
月に数回は送迎に同行して計画書の説明を行うため、18:30退勤の日もあります。

 

休日、残業について

休日     :日曜日+1日の週休二日制。年間休日は110日ほど。

月の残業時間 :10時間

有休はセラピストが1人だけなので気を使ってしまいほとんど使っていませんでしたが、有給義務化されてからは半休などで少しずつ休むようにしています。

残業に関しては、利用者さんの送迎時間が決まっているためリハビリが急遽入ることや営業時間が延長されることはなく、利用者さん都合での残業はありません。
月給の中に「みなし残業代20時間分」が入っているため、残業代をもらうには20時間以上残業しなければいけませんが、残業するのは送迎に同行する場合くらいです。

私の会社では、利用者さんの送迎は専任の運転手と介護職員がするのでセラピストの残業は少ないですが、セラピストも送迎もするデイサービスだとその分残業時間は増えるかもしれません。

 

新入社員、離職率について

入社してくるセラピスト :6年間で4人が入社
別の会社のデイサービスで働いていた介護職員や看護師が4人転職してきました。

離職率 :6年間で5人が離職
介護職員の離職が多いですね。非常勤の方のほうが長続きしているイメージです。

 

良い点、気になる点

  • 職場の雰囲気が穏やか
    個別リハ以外にもアクティビティや行事も多いのでそれを楽しむことができる人、楽しませることが好きな人はおすすめです。
  • セラピストが1人だけなので自分が考案した運動プログラムを提案ができる
    裁量をもって働きたい人、自分のアイデアを実現したい人、1人で物事を進めたい人にはお勧めかもしれません。
  • セラピストを優遇してくれる
    社長の意向や会社でのセラピストの扱いにもよりますが、自分の会社では外部セミナーが全額補助されたり、有休を取りやすいように社長自らがシフト調節してくれたりと色々良くしてくれています。
  • 管理職へのキャリアアップが目指せる
    今後事業所を増やしていく予定なので、管理職などのキャリアアップを目指せる環境は嬉しいです。
  • 職場にセラピストが少ない、もしくは自分以外いない不安がある
    一人職場なため、誰かに頼ることはできませんし、自分の考えたプログラムが正しいのか、方法は最適かなどで悩むことは多いです。
    また、セラピスト同士での症例発表や勉強会がほとんどないため、知識・技術のスキルアップは個人に任されています。
  • 送迎をセラピストがする場合は残業が増える可能性がある。
    今の働き方でセラピストが送迎をするのが当たり前になった場合、1日1時間ほど残業が増えます。
  • 毎月30人前後の計画書を作る必要があるため大変 
  • 給与は安定しているが、大きな増加は見込めない

 

デイサービスで働くポイント

就職するまでは介護保険分野のリハビリ職は「忙しい割には給料が低い」「リハビリとは名ばかりのアクティビティばかりやらされる」というイメージがあったのですが、昨今ではリハビリ特化型デイの増加、個別機能訓練加算の改定によりリハビリ職の役割が差別化され、高待遇のデイサービスも増えてきている気がします。

厚生労働省の調査結果によると、理学療法士・作業療法士を含めた機能訓練指導員の就労人口は2010年で約20,000人、2016年では約53,000人と2倍以上に増加しています。

在宅医療の発展が促される今後において、デイや施設でのセラピストの需要は高まっていくのではないでしょうか。