転職経験談

【転職経験談】個人経営の訪問看護リハビリステーションの働き方をご紹介

 

個人経営の訪問看護リハビリステーションは独自のインセンティブや勤務体制があり、働き方は様々です。
この記事では実際に個人経営の訪問リハビリで働く理学療法士の、経歴やその会社に転職した理由、働き方や給与事情などのリアルな経験談をご紹介します。

 

経歴

理学療法士7年目
男性 28歳
転職1回
現在の年収440万円

理学療法士7年目です。新卒から3年間病院の急性期で働き、4年目で転職しました。今は不動産会社の社長が個人経営している訪問看護リハビリステーションで働き、勤続3年になります。

転職理由

新卒で入った病院での給料の低さが第一の理由ですね。初任給はだいたい25万円で、ボーナスは年間で2〜3ヶ月分で50~60万円くらい。年収350万円いかないくらいでした。
初任給はこれくらいだと思いますが、10年目の先輩の話しを聞いても年収400万円と聞いて将来に不安を覚えたのがきっかけです。
また役職の少なさや役職者の働き方を見て将来的なキャリアに不安を感じ、4年目で転職をしようと決めていました。

 

転職方法

転職を決めたときに、将来は自分で訪問リハビリステーションを立ち上げたいと考えていたので、年収を上げつつ、個人経営の会社で開業の話を聞ける会社を探していました。個人での検索では思うように見つからなかったので転職サイトの「PTOT人材バンク」に登録し、

  • 年収400万円以上+インセンティブ
  • 土日祝休み
  • 経営や開業の話を聞ける会社

以上を条件に転職アドバイザーから紹介してもらい、3社ほど見学しました。どこも同じような待遇だったので、勤務時間が自由に調節できる労働裁量制を取り入れている今の会社に決めました。

 

働き方

会社の特徴

不動産会社の社長がマンションの1室を利用して経営している訪問リハビリステーション(以下訪問リハ)になります。開業して5年目の、常勤、非常勤合わせてスタッフ9名ほどの小さな事業所です。訪問手段は車を利用しています。

働き方が特徴的で、スタッフそれぞれが個人事業主みたいな働き方をしています。労働裁量制のような勤務体制なため出退勤の時間が決まっておらず、朝礼や夕礼もありません。スタッフそれぞれが患者さんの時間に合わせて自由に出退勤しています。

中には一日のリハビリ人数を6~7人に増やして週4日勤務にしている人もいます。

また、この会社が特殊なのかもしれませんが、社長がリハビリ業界全くの素人なので、良くも悪くもリハビリ内容に口出しすることは一切ないです。

 

働いているスタッフや、年齢層、セラピストの割合

PT4人、OT1人、ST1人、Ns3人います。28歳の自分が最年少で、30代が2人、それ以外は40代と平均年齢は高めですね。

 

リハビリの対象疾患

疾患は脳卒中後遺症、術後後遺症、廃用症候群による寝たきり、腰痛などの慢性疾患や、進行性難病、また、病院を退院した後もリハビリを続けたい人や、整形疾患(人工骨頭置換術など)術後に早期退院した人のリハビリが多いです。

 

リハビリ、仕事内容

リハビリ内容:
ADLに対するリハビリが中心になります。例えば、「ベッドからトイレまでの歩行を安定させたい」「玄関段差を安定して降りられるようになりたい」「お風呂に入れるようになりたい」などの要望に対して筋力向上訓練やADL訓練、ご家族への介助方法指導や福祉用具の選定などを行います。
あとは、「現状を維持したい」という希望で、術後や慢性疼痛(腰、膝)へのアプローチ、廃用症候群の予防なども多いですね。中にはマッサージのみを希望する方もいます。

リハビリ以外の仕事:
入社直後は先輩のリハビリへ同行して流れを覚えるのと同時に、居宅介護支援事業所のケアマネージャーにあいさつ回り兼営業をおこないます。
また、新規の利用者が入った場合や、介護度の変更、福祉用具や新しいサービスを追加する場合には、担当のケアマネージャーやその他サービス担当者が集まり「担当者会議」をおこないます。
ケアマネージャーへ患者の現状を連絡し、情報を共有することも重要な仕事のひとつです。

事務作業はカルテ記入、月に1回の計画書・報告書作成がありますが、病院の時と比べると担当数が少ないので早く終わります。

 

学習環境

勉強会頻度 :なし

勉強内容  :なし

支援体制  :なし

その他の特徴:
事業所内での勉強会や症例検討会などは一切なく、学習環境が整っていないので外部のセミナーに参加しています。
たまに、同エリア内の病院や他の事業所で行われる、在宅リハに関するセミナーや講習会の案内が事業所宛に届くのでそちらで参加しています。

 

あると便利な資格、スキル

生活期リハビリが中心なので、ADL・IADL、慢性疼痛、認知機能向上に対するリハビリや、運動指導、リスク管理に関するスキルがあるといいのでは。あとは住宅改修へのアドバイスを求められることがあるので福祉用具や福祉住環境コーディネーターの知識もあるといいかもしれません。また、患者から「この薬はどういった効果や副作用があるか。他にいい薬はあるのか。」など聞かれることがあるので、薬に関する知識も時に必要となります

訪問リハビリの認定資格として、「訪問認定療法士」があるので、目指す人もいます。

 

年収、給与、昇給について

転職時の年収 :400万円(転職時 理学療法士4年目)

今の年収   : 440万円(勤続3年 理学療法士7年目)

月給     : 30~45万円(インセンティブ、交通費等の手当込み)

ボーナス   : なし

昇給     : なし

評価制度   : なし

会社の年収層 : 400~600万円 平均460万円くらい

年収は月のインセンティブによって大きく左右されます。インセンティブは月の訪問76時間以上で1時間4000円つきます。インセンティブは患者のキャンセルや休日数によって月で差があり、100時間超えて40万円以上もらうこともあれば、76時間を超えず基本給30万円だけのこともあります。

ちなみにスケジュールが埋まった頃の月給例(交通費1万円を含む)は以下の通りです。

5月 31万円(インセンティブなし)

6月 43万円(インセンティブ+12万円)、

7月 37万円(インセンティブ+6万円)

8月 31万円(インセンティブなし)       ※税金引かれる前の金額

5月はGW、8月は夏休みと長期休暇があったためインセンティブはつきませんでした。逆に6月は祝日がなく出勤日数が多かったためインセンティブも多めにつきました。このように働き方次第で差が大きく、勤務時間を長くしてでも稼ぎたい人は一日6~7人訪問することで月50万円以上稼ぐことも可能です。
また、非常勤は1時間(1件)4000円で働けるため、扶養内で働く主婦の方もいます。

 

1日のスケジュール、勤務体制

勤務時間:労働裁量制(基本的には9:00~18:00)

臨床人数:4~6人

1日のスケジュール:
訪問時間は9:30~18:00で、1日の訪問件数は4~6件、1件60分が基本です。1日に5件以上の訪問があり、朝からスケジュールが埋まっている日は9:00に出勤しますが、1日4件の場合は1時間ほど空き時間があったり、勤務時間が短かったりします。

例えば最初の患者が休みで、次の患者が11:00開始の場合

10:00   出勤

11:00~  1件訪問

12:00~  昼休み

13:00~  3件訪問

17:30   事業所へ戻る

18:00   カルテ記入し退勤

月に1回の報告書作成業務があれば18:30に退勤といった働き方になります。

 

休日、残業について

休日:土日祝

月の残業時間:0~3時間

残業は、祝日分の振替で18時まで訪問した時と、月1回の計画書・報告書作成の時くらいです。16時に帰ることもあるくらいですから、月の合計残業時間はほぼゼロですね。

祝日は基本休みですが、出勤すると1日5000円の出勤手当がつくため、患者の振替が面倒な時は出勤することもあります。有給休暇も同様に、患者のスケジュール調整次第ですね。

 

新入社員、離職率について

入社してくるセラピスト:3年間で既卒3人が転職してきました。

離職率:3年間で3人

離職率は高いと思います。私が入社した年に2人退職し、2人入社、その後1人退職し、1人入社と入れ替わりがあります。離職するのは病院から転職してきた20代が多いですね。

基本的に転職してくるのは既卒ですが、「病院で働いているが休日に訪問リハで稼ぎたい」という理由で、非常勤で入社してきた新卒セラピストもいました。

 

個人経営の訪問リハビリの良い点、気になる点

  • 労働裁量制のような勤務体制をとっているため、勤務時間を調整できる
    自分の会社の場合ですが、勤務時間が自由に調節出来るのは最大のメリットです。週4日勤務にしている人や、子供の送り迎えをしてから出社できるよう時間調節しているスタッフもいます。
  • インセンティブを安定して稼げるようになると年収600万円以上を目指せる
    自分が働いた分だけ給料が増えるのでわかりやすいです。
  • リハビリとリハビリの合間や空き時間で自由時間がある
    キャンセルや患者間移動の都合で時間が空くことがあるので、本を読んだり仮眠を取ったりと、自由時間があります。疲労感は病院勤務時の3分の1くらいですね。
  • 社長がリハビリに関して素人なため、自由にリハビリができる
  • 経営者との距離が近いため経営を学ぶことができる。意見や要望が伝えやすい。
  • 一人現場の責任がある
    病院と違い訪問先ではセラピストが一人の状況なので、すぐに周囲に頼ることができません。特に小さい会社なので頼りにできる人も少なく、自分のやっていることが正しいのか不安になることもありますし、リハビリ中に患者の体調が急変した際には一人で対応する必要があります。
  • 入社時のタイミングと患者の状況によってはインセンティブが長期間つかない場合がある
    入社時期に退職者がいると、その人の担当患者をそのまま引き継ぐことが可能ですが、私の場合ゼロからだったのでインセンティブがつくまでに半年以上かかりました。
  • 他の会社のことは知らないが、病院と比べると平均的に学習環境は整っていない
  • 患者の都合や月の出勤日数によって給与(インセンティブ)が増減するため月の訪問時間を常に意識してしまう
  • 外での勤務が基本であるため、スタッフ間の交流が病院と比べると少ない

個人経営の訪問リハビリのポイント

ポイントまとめ

・インセンティブなどの独自の給与システムや、労働裁量性などの勤務体制がある

・意見が通りやすく、比較的自由な働き方ができる

・経営体制や営業力によっては、インセンティブ(給与)に大きな差が出る

・経営者の方針によって学習環境は職場により大きな差がある

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